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舞台進行スタッフのいろは / 第一部

第10回|キューって何? 誰が、いつ「GO」を出しているの?

舞台では、キュー(Cue)という言葉をよく使います。

簡単に言えば、何かを始めるきっかけです。

照明が変わる。

音が鳴る。

映像が出る。

大道具が動く。

出演者が動き出す。

そのひとつひとつに、「ここで始める」というタイミングがあります。

1.舞台では、いろいろなものが同時に動いている

俳優が台詞を言う。

その瞬間に照明が変わる。

音が鳴る。

映像が変わる。

別々の人が操作していても、ひとつの場面としてつながります。

そこにキューがあります。

2.キューは「いつやるの?」を決めるもの

「照明を暗くする」だけでは足りません。

いつ暗くする?

台詞のあと?

音楽のここ?

俳優が座ったら?

何をするかと、いつするか。

それをつなぐのがキューです。

3.きっかけは、台詞だけじゃない

台詞。

動き。

音楽。

効果音。

照明の変化。

大道具の動き。

時間。

いろいろなものがきっかけになります。

4.だから「ちゃんと見る」が必要

生の舞台は、毎回まったく同じ秒数で進むとは限りません。

笑い声や拍手で少し間が変わることもあります。

だから、台本だけではなく、実際の舞台を見ながら進めます。

5.「GO」は、準備されたものを実行する合図

作品によっては、キューを実行する言葉として「GO」を使います。

GOが来てから内容を考えるのではありません。

その前に、何をするのか分かっていて、準備して待っています。

6.スタンバイは、その少し前

「もうすぐそのキューです」と知らせるために、スタンバイを出すことがあります。

すべてのキューで必ず使うわけではありません。

7.誰がGOを出すの?

作品によって違います。

舞台監督や舞台監督チームが全体のキューを出すこともあります。

各セクションが、自分で決められたきっかけを見て動くこともあります。

音楽作品では、指揮者が大切なきっかけになることもあります。

8.「誰が出すか」を曖昧にしない

大きな物が動くキューで、AさんもBさんも「相手が言うと思った」では困ります。

誰が判断する?

誰が実行する?

事前に決めておきます。

9.キューは、本番当日に突然決めるわけじゃない

稽古で何度も試します。

少し早い。

もう少し遅い。

台詞にかぶっている。

俳優の動きが終わっていない。

試しながら、ちょうどよいところを見つけます。

10.そのために場当たりがある

場当たりでは、出演者の位置や動線、照明、音響、映像、転換などを実際の舞台で合わせていきます。

キューも、その中で調整します。

11.「もう一回」がたくさんある

ひとつの瞬間をつくるために、同じところを何度も繰り返すことがあります。

少し直して、もう一回。

それが、舞台づくりです。

12.キューには番号を付けることがある

たくさんのキューがある作品では、番号を付けて管理することがあります。

長い説明を毎回するより、短く共有しやすくなります。

13.キューシートは「本番の地図」

キューの番号や内容、きっかけなどを整理した資料を、キューシートと呼びます。

形式は作品やセクションによって違います。

14.でも、紙だけ見ていては出せない

キューシートを見る。

台本を見る。

そして、実際の舞台を見る。

生の舞台では、この三つをつなげていきます。

15.ほんの少しの違いで、見え方が変わる

照明が一秒早い。

音が少し遅い。

それだけで、場面の印象が変わることがあります。

舞台では、小さなタイミングが大切です。

16.キュー出しは、ただの掛け声ではない

作品を知る。

台詞を知る。

音楽を知る。

次に何が起きるか知る。

準備ができているか確認する。

その上で、キューをつなぎます。

17.「いつもと違う」に気づく

予定どおりのタイミングでも、今の状態がいつもと違うなら、そのまま進めない方がよいことがあります。

予定を覚えることと、今をちゃんと見ること。

両方が必要です。

18.人や大きな物が動くキューは、特に慎重に

大道具、吊物、床機構、出演者などが関わるキューでは、演出的なタイミングだけでなく、安全に実行できる状態かも見ます。

19.本当にダメなら、GOしないことも仕事

準備できていない。

動かしてはいけない場所に人がいる。

何かがおかしい。

そんなとき、予定にあるからと無理に進めない。

待つ。止める。必要なら、公演そのものを中断する。

安全に続けられることが一番大切です。

20.たくさんの「今」が、ひとつの舞台になる

一本の公演には、たくさんの小さなキューがあります。

それらが順番につながって、ひとつの場面になります。

場面がつながって、作品になります。

舞台は、たくさんの「今」をつないでできています。