仕込みが終わり、出演者が実際の舞台へやってきます。
ここから始まる大切な稽古のひとつが、場当たりです。
初めて見ると、演技が始まったと思ったらすぐ止まり、戻って、また同じところをやるので不思議に見えるかもしれません。
でも、これには理由があります。
1.場当たりって何?
実際の舞台を使って、出演者と舞台のいろいろなものを合わせていく稽古です。
位置、動線、転換、照明、音響、映像、キューなどをひとつずつ確認します。
2.出演者にとっても「初めての場所」
スタッフが何日も仕込みをしていた舞台でも、出演者はその日初めて上がるかもしれません。
段差、階段、袖の道、大道具の位置などを説明します。
3.舞台へ上がる前に、スタッフも確認する
工具が残っていない?
通路は空いている?
暗いところは大丈夫?
出演者が上がる前に、舞台と袖をもう一度見ます。
4.「どこに立つ?」を合わせる
稽古場でテープだけだった場所が、本番の大道具になります。
思っていたより狭い、遠い、段差がある。
実際の舞台で位置を合わせます。
5.「どこから出て、どこへ帰る?」も確認する
登場と退場の道を確認します。
舞台上だけでなく、袖へ戻ったあとの流れも大切です。
6.舞台の上で大丈夫でも、袖でぶつかることがある
出演者が退場する。
同時に大道具が動く。
次の出演者が待っている。
裏側の動きも一緒に確認します。
7.照明が入る
実際に光を当てると、位置や見え方が変わります。
出演者と照明側が、お互いに少しずつ合わせます。
8.音も合わせる
台詞、音楽、効果音。
実際の劇場で聞くと、稽古場と違うことがあります。
動きとのタイミングも確認します。
9.映像も合わせる
映像を使う作品では、出演者の動きや照明などとタイミングを合わせます。
実際に一緒に動かしてみないと分からないことがあります。
10.そこでキューがつながる
台詞、動き、音、照明。
どこをきっかけにするか、実際に試して決めていきます。
11.だから、すぐ止まる
失敗したから怒られて止めるのではありません。
確認したいところへ来たから止める。
直して、もう一度やります。
12.また戻る
「さっきの台詞のところからお願いします」
少し前へ戻り、もう一度確認します。
13.全然進まないように見える日もある
一時間で数分しか進まないこともあります。
場当たりの目的は、早く最後まで行くことではありません。
必要なところを、ひとつずつつくることです。
14.止めるのは、本番で止めないため
本番は、できれば最後まで止めずに届けたい。
だから、その前にたくさん止めます。
稽古で止めるのは、本番を止めないため。
15.出演者だけの稽古ではない
場当たりは、照明、音響、映像、大道具、舞台機構、進行など、舞台全体の稽古でもあります。
16.変更は、その場にいない人にも伝える
位置が変わった。
キューが変わった。
通り道が変わった。
必要な人みんなに伝わっていることが大切です。
17.衣裳や靴が変わると、動きも変わる
本番衣裳や靴では、稽古着と動きやすさが違うことがあります。
実際の条件へ近づけながら確認します。
18.スタッフ側も、たくさん覚える
「あ、この台詞で照明が変わるんだ」
「この人が戻ったら次の準備なんだ」
ばらばらだった仕事が、つながって見えてきます。
19.自分の出番がなくても、見てみよう
何が止まった?
なぜ止まった?
直したあと何が変わった?
見ているだけでも、たくさん勉強できます。
20.少しずつ、止まらなくなる
確認が進むと、ひとつの場面を長く流せるようになります。
少しずつ、完成した舞台へ近づいていきます。
Staging Tool